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増田さん: 私はおもちゃを輸入する会社に勤めていました。仕事を通じて"こどもにとっていいものってなんだろう""ヨーロッパに比べて、日本のおもちゃは、どうして自分がいいなと思えるものが少ないのだろう"という気持ちが強くなり、その答えを探すために、デザインの勉強を一から始めるために会社をやめました。その時は、自分に何ができるのか全くわからなかったんです。こどものための造形教室を手伝いながら、自分の居場所を探していました。 そんな中、2003年夏、OZONEでの企画展<デザインと遊ぶOZONEの夏休み>を知ったんです。デザイナーによる新作おもちゃの展覧会や、その場で買えるデザイナーズ・トーイ・ショップ、こどもたちが、建築家と小さな家をつくるワークショップ・・・とても惹き付けられて、問合せたことが萩原さんと出会うきっかけになったんです。こどもとデザインというキーワードで、何か提案できる場所を探していた私に、"無いんだったら作れば?"という萩原さんの一声(笑)。
萩原さん: こどもに対してのそれぞれの想いを共有し合うデザイナー、建築家、造形作家や保育士達とも繋がって、グループとしての活動の話が始まったのが2004年5月。7月に僕がOZONEを退職して自由に活動できる立場になり、一年の準備期間を経て、2005年5月5日に「コド・モノ・コト」プロジェクトが発足しました。
このプロジェクトは、自分のやりたいことを表明する場でもあります。大人、こども、メーカー・・いろんな人にいろんなことを伝えていく。だから、プロジェクトとして、ある程度の方向性やキーワードは出していますが、各々のメンバーは固定せずにゆるやかに、展覧会やワークショップなどのいろいろな場面で、参加できる人が、できることを継続している感じです。無理せず自然になにか生まれてくればいいなと思っています。
19名のクリエーターが参加した「くーぐー展」の打合せでは、参加メンバーで互いのスケッチや模型で意見を交換し合って、いい刺激になることも。お客様からの「こういうの欲しかったんだよね」「こういうのなかったよね」という声は印象的でした。 1人1人の持つ求心力と、プロジェクトとしての遠心力をうまく生かして、バランスをとっていきたいです。全体への影響を考えながら、各々がやりたいことをできる場になればいいですね。
萩原さん: こどもが対象になると、キャラクターが付いて派手な色のものが多い。でもこどもは、子供部屋に閉じこもっているわけではありません。結局それらは、家の中に氾濫してしまう。つまり、こどものことを考えるということは、実は生活全般を考えることにつながっているんです。少しずつでもいろんなことに気づいて提案できればいいかなと思っています。こどものためだと嘘をつけない。そこが、すごくいい(笑)。
増田さん: ある子に良くても、別の子にとっては良くないものがあるように、"こどものものはこうあるべきだ"という正解はないと思うんです。大多数に受け入れられることより、ある1人の子にはこうしたいということを、一つずつ重ねられればいいと思っています。
萩原さん: ぼくたちは"デザイン"という切り口で、こどもに関わるモノやコトを提案していこうとしています。自分が満足するためではなく、誰かのためにつくる。その大切さがしっかり伝わり、つながる活動にしたいです。それぞれが、誰かが使っているから、ではなく、自分がいいと思えるものを"選ぶ目"を持っていたらいいですね。
<企画プロデュース> 萩原修 「こどもといっしょに食べる」がテーマ。デザイナーや木工家、陶芸家などが、こどもといっしょに食べることがもっと楽しくなるような食器や家具などを提案。食べることだけでなく、準備やあとかたづけ、あるいは食べる場所のことなど考えるきっかけづくりの展示会。