木は、自然素材だから何を盛ってもだいじょうぶ。漆を塗ってある器のほうが、より丈夫で長持ちし、除菌・殺菌性があります。漆は天然塗料なので木の呼吸を止めません。
木中には、空気をいっぱいふくんでいるので、スポンジや発泡スチロールのように、手に優しく温もりを伝えます。木の器に焼いたパンをのせると、蒸れずに、カリッとしたまま食べることができます。それは、木が湿気だけを吸ってくれ、熱をとらないからです。
器としての利点
(1)熱さが伝わりにくい
(2)温かいものが冷めにくい
(3)冷たいものが温くならない
(4)適度に蒸気を逃がしてくれる
(5)落としても割れにくい
お手入れ方法
小沼さん宅では、木の器をざっくり!使っています。漆塗りは特に丈夫なので、ピカピカなままをもとめなければ、おおざっぱに使っても大丈夫。おすすめはしませんが、ちょっと水につけっぱなしにしたりすることもあります。もちろん歪みます。ご夫婦は、木目に沿って少しずつ歪んでいくのが愉しみだそうです。そんな歪みを愉しめるのは、木の器だけです。
小沼さん宅では、木種の違いをより感じるために、同じかたちのチェアを違う木種で使っています。智靖さんに、好きな木種と座り心地をお伺いしました。
小沼さん夫婦に、日々の木との暮らしについてお伺いしました。
──木は生き物っぽくて面白いです。
木の変化で、湿気が増えたなぁとか季節を知らされますね。冬は床がすかすかになってゴミがたまったり、夏になるとゴミがたまらなくなったり。季節によっての変化もそうだし、樹脂が出たり匂いもするので、木が生きているのを実感しながら生活しています。
──子育てにも意味があると思っています。
例えば、拭き掃除をするときに「木目に沿って繊維に逆らわないで拭くんだよ。そうすると長持ちしたり、きれいになるんだよ」と教えています。意識をしなくても空気みたいになって、大事に感じられて、違うものを触ったら「あれ?ちょっと違う!」と感じられる感覚を育てられるのがいいなと思います。
 |
 |
 |
テーブルや奥にあるものは、全て智靖さんの作品。 |
つぶつぶが樹脂。10年以上経った今でもでてくる。 |
 |
小沼 智靖(こぬま ともやす)さん
木漆芸作家。画家。
(株)中川ケミカル/スーパーマテリオ事業部顧問。
1965年埼玉県生まれ。東京芸術大学院油画専攻修了後、造形作家・グラフィックデザイナーとして活動。
99年から本格的に木工作品に取り組む。2002年『小沼デザインワークス』設立。主に漆で仕上げた木の家具・木の器を発表している。 |
 |
小沼 のりこ(こぬま のりこ)さん
コーディネーター。(株)中川ケミカル/CSデザインセンター顧問。
1966年東京生まれ。京都市立芸術大学院修士、芸術学修了。
Essex大学(英)MA取得。美術館の展示デザイン、美術教育を学ぶ。ギャラリー勤務、子供のアトリエ経営、美術書出版社勤務、インテリアコーディネーターを経て、『小沼デザインワークス』設立に加わる。 |
 |
小沼デザインワークス http://kinoutsuwa.com |