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「ふだんの原稿書きの仕事は、陽のあたるダイニングテーブルでしています。あとは外で昼間から銭湯に入ったり、湯上がりにビールを飲んだりなんていう、ゆるい街取材も(笑)主人も銭湯が好きなので、ふたりで散歩がてら近所に幾つかある銭湯に行ったりすることも」という由紀子さん。キッチン関連の収納は、無印良品の棚に。低めのものにしたのは、背の高い食器棚だと空間が狭く見えてしまうからとか。もともと好きで集めているお気に入りの麻のキッチンクロスや、手触りや形が作家の個性を反映する趣ある陶器のお茶碗などが整然と並べられている。この陶器のマグで飲むビールで晩酌を楽しむという。謙吾さん曰く、素焼きのマグだと、泡がきめ細かくたち過ぎるので、釉を薄くかけられた陶器の方がビールには合うそうだ。「見せる収納って、埃などが気になるという方も多いと思いますが、使う前にさっと洗うから気にならないですよ。最近、水切りカゴを廃止してみたんです。最初はちょっと抵抗があったけど、キッチンクロスの上に洗ったお皿を置いておくと乾きが早い!その都度拭いてから棚にしまうんです。やってみると空間がすっきり使えるし効率的でいいなあと(笑)料理は、ほとんどルクルーゼの鍋に頼っていて。野菜など素材のもつ味わいがまろやかで深く感じられます。今迄使っていたものと全然違うことに驚きましたね。ご飯を炊いたり、野菜を煮込んだりと、この鍋ひとつで色々つくっています。基本的に食材を切って煮るという"キルニル"料理が中心ですね(笑)オーブントースターやフードプロセッサーは、主人の好きな艶のない質感のシルバー系のものにして統一感をだしました。でも、冷蔵庫の色については、最後まで白かシルバーかと二人で議論して。結局、私の意見が採用に(笑)」と由紀子さん。「今ではこっちでよかったと思っています」と謙吾さんが笑う。
部屋には、海外製の缶詰めに耐熱用のアルミホイルを敷いたアロマキャンドルが。「仕事の内容やその時の気持ちにあわせて選んでいます。香りのプラスαで、原稿がスムーズに書けたりも。今日は、素朴なざくろの香りにしてみました。"ディプティーク"などの品のある香りが好きですね。犬を飼っているので、匂い対策にもなります」と由紀子さん。「じつは僕は"ラッシュ"なんかのわかりやすい香りが好み。アメリカ野球や、ブルー×オレンジのビビッドなカラーリングも大好きで。渋谷にある事務所では、バスボムをルームフレグランス変わりにしたり、思いきりPOPなインテリアにしています(笑)」と謙吾さん。寝室の枕もとには、由紀子さんが寝る前によく手にするという好きな写真集と共にアロマキャンドルが置かれていた。
リビングダイニングで休日は犬と一緒に寛ぐ時間が多いという石黒さんご夫妻。犬のエサを入れるプレートから、ソファに転がる犬のオモチャにいたるまで、この家には何故か所謂ペットっぽさがない。「犬を飼っています的な部屋にはしたくなかったんです。これから年を重ねて、収納扉やフローリングの木目にも深い味わいがでてくるのが楽しみで。できれば扉のドアノブも艶なしシルバーのものにしたいですね(笑)」質感ひとつにもこだわる謙吾さん。ディテールの変化を楽しみながら、お互いの好みやスタイルをしっかり理解し合って、ひとつの空間を作り上げている。
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