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清潔感のある白いキャンドルからほのかに広がるカシス&ブルガリアンローズの香り。壁に舞う黄金の蝶々。しなやかに佇む艶やかな彫刻。そんな、彼女が描く女性たちが暮らしていそうな空間は、彼女自身の住まい兼仕事場だ。
落ち着いた間接照明の中で、そこにあるモノたちが美しく収まっているせいか、何だかとても居心地がいい。一体どうやって、こんな空間を生み出したのか尋ねてみた。「玄関から入ってきた時、最初に目にふれる壁をディスプレーコーナーにして、好きなものだけを飾るようにしています。例えば、旅先や街で気になるカードを見つけたら、迷わずストック。写真集や雑誌からお気に入りのページをスキャンして、それぞれに似合うフレームに入れることも。つくりたいイメージや気分に合わせてディスプレーを楽しんでいます。だから仕事中にふと目にすると、しぜんに気持ちが癒されて。購入するのは特に決まったショップではなく“奥から、自身のこだわりが顔に刻まれたようなオーナーが出てきそうな店”が好きですね」と笑う。今見ても新鮮という、1890年代後期〜50年代に活躍したポール・アウターブリッジの裸婦のポートレートは、師匠と仰ぐアートディレクターから譲り受けたもの。旅先でご主人と選んだ思い出の品々も、この一角を豊かであたたかなイメージにしている。
アールデコなど1920年代〜30年代のスタイルが特に好きだという谷本さん。“デザイン”という概念が世間に出てきたその時代には、現代にあるデザインの美が凝縮されている。彼女の審美眼にかなうものとは、どこかに自分好みのフォルムがあるなどディテールに惹かれるもの。そしてさらに全体を見てトータルでも直感で好きだと思えるものが条件。「ディテール、マテリアル、全体のフォルム。それが私の選ぶ基準」フェミニンでやわらかな空間には、妥協のない美しさへのこだわりが潜んでいた。
最後に、読者の皆さんへの部屋づくりのアドバイスを。「環境ってその人をつくると思うんです。“エレガント”や“ポップ”といったひと言でいえるコトバ以外にある何か…それがその人のスタイルになるのかなと。だから、今の自分より、少し上のなりたい自分をイメージして“好き+α”の基準で部屋に置くモノを選んでみては。いつまでも同じところに留まっている自分ではないはずだし、そんな基準で選んだ美しいものは、生活を豊かに変化させてくれるのでは」なるほど、近年さらに女性らしく磨きのかかったイラストのタッチや公私共に支え合うパートナーの存在など、美しく進化し続ける谷本さんだからこそいえる貴重なお言葉だ。
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| 1930年代から『ヴォーグ』の仕事他で活躍した写真家であり、映画美術、衣装デザインまで多彩な才能を発揮したセシル・ビートン。「写真集ではなく、彼のドローイングがたくさん載っているものを探していたのですが、ほとんどが絶版なため今ではとても貴重なもの」そうした思いで手に入れた本は50年代に出版された「THEGLASS OF FASHION」。ヴィクトリアン時代後期の貴婦人たちのライフスタイルについて書かれたもの。「見ているだけで優雅な気分になれます」イーゼルはイタリア製。このようにカバーに合うイーゼルと合わせることによって本も存在感たっぷりのオブジェに。 |
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