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Q.ブランドのコンセプトについて
9brand(ナインブランド)の「九」という数字には、生きものすべてを含めた世界や環境という意味が仏教にあるんです。コンセプトは「進化とルーツ」。私たちは夫婦2人で"Creature and Design"生きものから学ぶデザインをテーマに、道具を生きものに"見立て"て、モノづくりをしています。彼(けいたさん)は、昔からカンフーをやっていて、生き物の型が好きなんです。動物は形だけでなく動きにもすごく意味があって。それを人間が真似することは、大昔からやってきたことなんですよね。特に東洋人は何かに見立てるということが得意。偶像崇拝というより、自然崇拝の力があると思うんです。生き物って、可愛いけど怖い面があったり、身近だけど遠かったり。そういったものを自分達の作品を通して感じてもらえたらいいなと考えています。
"包み込む、ぶらさがる、巻きつく、張りつく"といった動きのあるものには全て意味があって、身の周りのものもそうだと思うんです。食べておなかの中に内包することは、生きもののごく基本的な行為です。そんなことをヒントに進化中なのが、ボタンを目に、ファスナーを口に見立てたEaterシリーズ。生きものだけに、愛着をもって使ってもらえたらなと(笑)。お客さんと話をしていると、名前を付けて可愛がってくれている方や、廃盤になった商品を「あら、絶滅しちゃったの?」と哀しむ方。ずっと使ってくださっていたものが擦れてきたので「前のこうもりは標本にして飾ってます」なんて、同じものを再度買いに来られる方も(笑)。 生きものをテーマにやってきてよかったと思うのは、つくっているうちにいつのまにか新種が出たり、絶滅したり。同じ種類の中でも分化して、機能によって違うものが出てきたりしながら生態系が賑やかに広がっていくこと。うちの商品を「怖い」っていうお客様もいらっしゃいますが、それって生き物として見たら普通の感覚なんですよね。
Q.9brandのルーツと進化は?
僕は1970年代のアメリカに少し住んでいたんですが、当時の時代背景もあって、東洋人ということで子供の頃にとても寂しい思いも。だから、自分のルーツにはすごくこだわりがあるんです。"日本的なことって何だろう?"と。その頃からいい意味でも悪い意味でも客観的に見るクセはつきましたね。 医者をしていた祖父が民芸品のコレクターで、日本や世界各地へ学会に行くたびに増えていくので博物館をつくれるくらいの量だったんです(笑)。そんな環境だったことも影響して、昔ながらの動物に見立てた民芸品の魅力に心を奪われました。妻(なおよさん)は、小さい頃からマイミシンがあるような裁縫家族だったので、9brandが生まれたのは自然な流れだったのでしょう。 ふだん話をしているうちに「あ、これは商品になるね」なんて新種が生まれることも。動物の形だけでなく動きも含めたモノを、なるべく沢山のひとに使ってほしいので、扱いやすく比較的安価なハンプなど布素材のアイテムが多い。だから、使っていく間に擦れていったり、汚れていったりとお客さんの家でだんだん進化…いや老化かな?していくんです(笑)。 自分たちに合っている素材ということで、たまたま今は布を使った商品を作っていますが、気持ちとしてはバッグだけをつくっていきたいという訳ではない。いろいろ夢もあって。僕は"身の丈"という言葉がすごく好きで、自分たちの生活の中から生まれてくるものを、その都度いちばん作りやすい形で表現していきたいと思っています。
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