
アドベントの期間になると、教会のある広場にはクリスマスマーケットが立ち、モミの木やオーナメント、キリスト降誕人形などが売られて、夜も華やかになっていきます。
そこで売られるもののひとつとして、アドベントカレンダーがあります。
アドベントカレンダーの発祥
アドベントカレンダー ドイツ
ニュールンベルクのクリスマスマーケット
アドベントカレンダーの発祥はドイツだと言われています。今もゲルマン諸国で作られ、移民たちがあちこちに伝えていく中、アメリカ大陸でも盛んになり、世界に広がっていったのではないかと思います。
20世紀初頭の資料に残る、ドイツニュールンベルクのクリスマスマーケットを描いたアドベントカレンダーが有名で、たくさん並ぶ屋台に書かれた1〜24までの数字をめくると中はそのままクリスマスマーケットの風景になっています。今も復刻版として売られていて、ひとつひとつ開けていくという方式は100年以上前からあるので、かなりの歴史を持っていると思われます。
日本にいつ頃入って来たのかはわかりませんが、当博物館が初めて輸入して集め始めた20数年前頃は、その楽しさに驚く方が多くいらっしゃいました。でも最近では一般的に知られるようになりました。ただ日本では、ドイツの子供たちが毎年のアドベントカレンダーを楽しみにしているほどには、普及していないようです。
その他のアドベントのオーナメント
アドベントカレンダーの他にも、クリスマスを待つ気持ちを高めるオーナメントに“アドベントクランツ”があります。4本のローソクが立ったクランツ(リース状の環を水平にしたもの)を天井からつるし、アドベントの日曜日の夜ごとに1本ずつ灯すローソクを増やしていくものです。家庭での一般的な楽しみ方は、その家のお父さんが梯子に登ってひとつのローソクに火をつけると、子供達はお母さんと一緒にそれを囲んでクリスマスキャロルを歌います。灯す火が増えるほど、歌うキャロルの数も増えていき、家族みんなでクリスマスをお祝いする雰囲気を高めていくようです。
ドイツには、他にも面白いものがあります。ひとつは「光のピラミッド」と呼ばれるキャンドルスタンド。
これは下の台に置かれたローソクに火を灯すと、その上昇気流で上にあるプロペラが回り、人形台も一緒に回転する仕掛けになっています。
ローソクの数が4本のものが多いので、アドベントクランツのような使い方もありますね。
光のピラミッド
光のピラミッド点火
もうひとつは、煙だし人形。これもドイツに伝わるもので19世紀初頭から盛んに作られてきました。玩具売りや、料理人、学校の先生、木こり、煙突そうじ屋・・と、市井の人々がモデルになっており、みんな口をまるく開けてパイプをくわえた姿で表現されています。
胴体の中にお香を入れられるようになっているので、火を点けると、まるでパイプをくゆらせているように、口からお香の煙をはき出します。香りは今ではいろいろありますが、昔はスパイスのような強い香りが多かったと聞きます。やはりそこには、クリスマスを迎えるために、お香の香りで室内を清浄に保つという“魔除け”の意味もこめられているように思います。
ザンクト・ニコラウスの煙だし人形(ドイツ製)
アドベントは、ドイツの家族にとっては、クリスマスの楽しみが始まるシーズンです。
この時期ドイツは夕方の4時半には暗くなるので、日曜日はそれに合わせて家族が集まり、ローソクを立てて火を灯したり、シュトレンや特別なケーキを食べたりします。こういった習慣は、昔は教会の中で、今は家族の中で行われていますね。
アドベントカレンダーはほとんどの家庭で子供たちに配られ、朝一番に開けたり、学校から帰ってきてから開けたり、夕食後のお菓子として開けたり・・・。24日の最後の窓が一番大きくできていて、子供たちはそれを開けることをとても楽しみにしているんですよ。
ただ、ひとりでいくつももらいすぎてしまうと、入っているお菓子が年を明けても食べきれないということもあります(笑)
昔は町の市庁舎が、窓にカレンダーのナンバーをペイントしてカウントダウンを行っていたようですが、今でもゲンゲンバッハはとてもきれいに飾っており有名です。
アドベントカレンダーは昔からありますから、習慣ですね。これがなければ、日本で言うとお節料理なしの正月のように、物足りなく感じます。何より、子供がみんな待っていますからね!
アドベントカレンダーは、僕らにとっては家族で季節を楽しむためのものです。